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京都大学大学院法学研究科教授
京都大学国際法学研究会 顧問 濵本 正太郎

 人が人と何らかの関わりを持つ場合、紛争はいつか生じる。国と国とも同様である。その場合、いかにして殴り合いせずにもめごとを収めるか、人類は悩み 抜 いてきた。その試行錯誤の現状が、国際法である。自分と他人とは根本的なところで違い、理解し合うことはない。しかし、それでもなお相互に対話し、とりあえず納得すること はできるのではないか。国際法は、そのための対話の言語となろうとする。
 国際法は、LinuxやFirefoxのような、オープンソース型ソフトウェアである。それを少しでも高機能で使いやすいものするために、様々な人々が世界中で共同作業に日々いそしんでいる。模擬裁判に参加することは、その世界大のネット ワークに参加することに他ならない。模擬裁判を通じて、世界中の人々と対話し 議論する経験を得ることはもちろん、世界で使われるシステム開発・改良のために力を注いでみるのも一興ではなかろうか。

京都大学法学部3回生 

京都大学国際法学研究会 36期会長 伊藤 洪一

 つい最近まで、私たちは海外からの観光客を受け入れ、また海外に旅行し、もはや国境など形式的なものにすぎない、とまで錯覚するほどでした。グローバルという言葉がもてはやされ、国家という枠組みを打破して考えるようになったかもしれません。

 しかし、コロナ禍において、改めて国家という概念は今なお強力に残っていることを思い知らされました。それは学区や行政区のような便宜的な区分ではなく、国家主権という他から干渉されないパワーを持った想像の、しかし確固たる共同体なのです。

 その国家と国家を規律するルールこそが、私たちの取り組んでいる国際法です。国家同士は対等であるという厳然たる前提の下では、互いの主張がぶつかりますが、何とかしてルールを見つけ出し、適用することで解決を図ろうとするわけです。

 加えて、人間として普遍的な理念を実現するルールとしても、国際法が機能します。しかし何が人類に共通することなのか、その一致を見出すことはかなり困難でしょう。その国家の中では当たり前のことが、他の国家ではそうでないということがしばしば起きます。

 模擬裁判では、仮想の事実をもとに法的議論を書面・弁論でたたかわせます。その作業を通じて学べることは多く、また得難い友と一つのことを達成した喜びはひとしおです。

 幸い、オンラインでも模擬裁判の活動は続けられています。一方で、会員同士で親睦を深めたり、対面で議論したりといった「生」の大切さも実感しているところです。困難な状況ではありますが、めげずくさらず努力していく所存です。

​ごあいさつ

卒業キャップ

​34期(4回生)

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卒業キャップ

​34期(2020年度卒業生)

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法律の見直し

​35期(4回生)

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本とメガネ

​36期(3回生)

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